芭蕉が歩いた奥の細道 山寺 立石寺
Silence, and penetrating into the rocks — the cry of the cicada
Famed haiku poem of Matsuo Basho (1644 - 1694) "Yamadera Risshaku-ji"


立石寺(りっしゃくじ)は、山形県山形市にある天台宗の寺院で、正式には宝珠山阿所川院立石寺(ほうじゅさんあそかわいんりっしゃくじ)と称します。
円仁さんこと「慈覚大師」によって創建されたこの立石寺は、通称「山寺」の名前で親しまれています。
俳人「松尾芭蕉」がこの地で詠んだ句である「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は大変に有名で、1015段の石段の中腹ほど行ったところには芭蕉が句を詠んだ「せみ塚」があり、この芭蕉の句が刻まれている。
この句が記された『おくのほそ道』は、俳人松尾芭蕉による「紀行文集」で元禄15年(1702年)に記されました。日本古典の中でも代表的存在で、芭蕉作品の中でも最も有名な著作になっています。

■立石寺本堂(根本中堂) / 俳人 松尾芭蕉像と弟子の河合曾良像
正面入り口を入って最初の石段を登ると、国指定重要文化財の根本中堂があります。
この根本中堂は延文元年(1356)に初代山形城主・斯波兼頼が再建した建物で、ブナ材の建築物では日本最古といわれています。

<■松尾芭蕉像と句碑 / せみ塚
しばらく歩いていくと、名句「閑さや 巖にしみ入る 蝉の声」を詠んだ俳人「松尾芭蕉」像があります。『おくのほそ道』の道中を一緒に旅した、弟子の「河合曾良」像も芭蕉像と一緒に並んで立っています。
宝物殿、念仏堂を通り過ぎると、「山門」が見えてきます。鎌倉時代に建立されたといわれるこの山門は、開山堂や五大堂などへの登山口となっていて奥之院までは800段を超える石段を一歩一歩登らなければならない。
参道を中腹ほどまで登っていくと、松尾芭蕉が句を詠んだ「せみ塚」がある。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」。あまりにも有名なこの句はこの地の情景の中で生まれたものだ。

■山寺 全景 / 仁王門
ここからさらに登っていくと絵はがきのように美しい「仁王門」が現れる。
嘉永元年(1848)に再建された優美な門には左右に仁王尊像が安置され、「邪心をもつ人は登ってはいけない」と睨みつけているのだそうです。

■納経堂と開山堂 / 五大堂
「開山堂」と「五大堂」は、山寺の中でもっとも眺望が良く、とても画になるロケーションにある。
開山堂とは、立石寺を開いた慈覚大師のお堂で、大師の木造の尊像が安置されている。岩の上にある赤い小さな堂は、写経を納める「納経堂」で、山内で最も古い建物なのだそうです。さらにその奥には「五大堂」があり、五大明王を祀って天下泰平を祈る道場で、山寺の展望台にもなっている。

参拝の所要時間 〈山内参拝フルコース〉・・・約90分

参拝口 → 根本中堂 → 山門 → 姥堂 → 仁王門 → 奥之院 → 開山堂 → 五大堂 → 山門 → 立石寺本坊 → 下山口





孤高の芸術家? それとも徳川幕府の隠密?
「江戸時代の俳聖」松尾芭蕉とは一体何者だったのか?



この山寺は、俳人松尾芭蕉が訪れたことで歴史ある大変有名な場所になったが、芭蕉が書いた『おくのほそ道』がすばらしい「紀行文集」であると見られる一方で、芭蕉と曾良は、実は当時の幕府に任務を課せられた「スパイ」であったという説や、河川インフラを担う幕府の先端エンジニア!?だったという説ももある。
松尾芭蕉は、築城・土木・水利工事を得意とする伊賀(三重県)藤堂藩の出身で、30代に神田上水工事の監督官を務めていたことで知られている。 運河開削や水路工事は農業、産業用や軍事用、防災など各藩にとって特に重要だったために、芭蕉は幕府に命じられて伊達藩などの運河視察が目的に、最上川や阿武隈川、那珂川など東北の主要水路を見て回ったのだという。 山形でのもう一つの有名な句に「五月雨をあつめて早し最上川」というものがあるが、これも河川に関連した句である。

もう一つワクワクさせられるのは「芭蕉隠密説」なるものだ。

俳人松尾芭蕉と弟子の曾良(そら)は、幕府に伊達藩を監視を命ぜられた「隠密」!?

そしこれが真実であるならば、隠密が証拠となる文字資料を一切残さないのは当然のことである。

芭蕉に同行した弟子が書いた『曾良(そら)旅日記』には、仙台藩の軍事要塞といわれる「瑞巌寺」や仙台藩の商業港・石巻港を執拗に見物した事実が記されている。
そのため曾良が芭蕉の旅に同行することで幕府の任務をカモフラージュし、当時の仙台藩の様子と動向を伺うために送り込まれたとの見方があるのだ。

この説では、芭蕉が幕府内で直轄領を監督するなど重要な位置を占める伊奈代官家の組織の人間だったというもの。
徳川譜代の伊奈家は各地の情報収集を担当していたという。

現在の東京都江東区にある「芭蕉庵」の跡地は幕末に14代将軍家茂が将軍になる前に住んだ屋敷が建てられたそうだ。

また弟子の曽良(そら)は後に幕府九州巡見使の随員を務めている。これは幕府公安関係者といえる立場なのだそうです。
芭蕉が自身の役割と情報を収集するための補佐役(カムフラージュ)を曽良が担った....!?

伊達領の前後で催した句会は、現地情報員と曾良が接触するための隠れみのだったのではないかと推測される向きもある。

『奥の細道』の旅は「六百里(2400キロ)」にもなり、旅路のスピードも行程もかなり異様であるという。

5カ月間で約2400キロ......。
ちなみに山形駅から東京駅間を徒歩で歩くと約340km。往復だと680kmになる。
そうすると単純に山形⇔東京間を3往復、さらに340kmの片道に20kmを足してようやく六百里(2400キロ)になる。これを5カ月間で歩いた計算だ。当たり前だが、新幹線もバスもない。すべて徒歩である。

黒羽では13泊、須賀川では7泊して仙台藩に入り「松島の月まづ心にかかりて」と絶賛した松島では、1句も詠まずに1泊で通過したといわれる。
真の目的は「仙台藩の内部を調べる機会を伺うため」だったとしたら、当然仙台に来て句を詠んでる暇などなかったかもしれない。
『奥の細道』は紀行本ではなく「仙台藩の内部を記した報告書!?」という「芭蕉スパイ説」が本当だとしたら、歴史とはとんでもなくおもしろいものである。




写真: 俳人・松尾芭蕉像と弟子の曾良(そら)像 (山形県山形市山寺立石寺境内)


山寺 宝珠山立石寺

■所在地  山形県山形市大字山寺4456-1
■山号  宝珠山
■宗派  天台宗
■本尊  薬師如来
■創建年  貞観2年(860年)
■正式名  宝珠山阿所川院立石寺
■通称   山寺
■札所等  最上三十三観音2番
■重要文化財  根本中堂、木造薬師如来坐像



JR山寺駅時刻表

■JR山寺駅 / お食事処 おのや



JR山寺駅を下車するとすぐに、ホームの上から真正面に「山寺」の絶景を伺うことができる。晴れた日の山寺はとにかく格別である。
特に紅葉の季節になると、青い空と赤や黄色に色づいた木々、そして山寺の情景とがそれぞれのコントラストを放ち、観光客の皆様の目を楽しませてくれる。
駅を出てすぐに左側に「お食事処 おのや」さんがある。店頭には「山寺名物 力こんにゃく」がある。力こんにゃくとは、山形ではとてもメジャーな食べ物で、山形特産の玉こんにゃくを串刺しにして、味付けされた醤油でコトコトと煮込んだとてもおいしいファーストフードです。手軽に食べられるこの力こんにゃくは、1本100円です。
石段を上っていく前にちょっとした腹ごしらえに最適です。

■山寺名物 力こんにゃく



奥の細道 山寺立石寺 【観光バージョンムービー】



山寺立石寺

【場所】 山形県山形市山寺4456-1
【電話】 立石寺山門 023-695-2843
【時間】 8:00~17:00
【入山料】 ●一般・高校生 300円 ●中学生 200円 ●小人 100円


宝物殿

立石寺の仏像、宗教資料、文化財を収蔵。
【電話】 023-695-2002
【時間】 8:30~17:00 (冬期休館 12月~4月20日)
【入館料】 ●一般・高校生 200円 ●中学生 100円 ●小人 100円

山寺芭蕉記念館

俳聖芭蕉と門人の遺墨、俳文学資料、奥の細道資料館展示。
【電話】 023-695-2221
【時間】 展示棟 9:00~16:30 研修室・茶室 9:00~21:00
【休館日】 不定休(お問い合わせください。)
【入館料】 ●大人 400円 ●高校生以下 無料

山寺後藤美術館

山形県河北町出身の実業家・後藤季次郎氏が、長年にわたり収集されたヨーロッパ絵画のコレクションを核として設立された魅カ的で特色ある美術館です。
【電話】 023-695-2010
【時間】 5月1日~9月30日 9:30~17:30(入館は17:00まで)
10月1日~4月30日 9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】 月曜日(祝日・休日に重なる場合は翌日)
【入館料】 ●大人・高校生 800円 ●中学生以下 400円


山寺風雅の国

和風レストラン・土産処・喫茶や四季折々の山寺の絶景がお楽しみいただける観光スポット。
【電話】 023-695-2011
【時間】 月曜〜金曜 9:00~17:00 (L.O.15:00) 土曜・日曜・祝日 9:00~17:00 (L.O.15:30)
【定休日】 無休
【大型駐車場】 有 150台
【馳走舎 営業時間】11:00〜15:00 椅子席100席、和室150席


【山寺周辺のアクセス】

■山形駅   自動車で30分 JR仙山線で20分
■山形空港 自動車で30分
■天童温泉 自動車で15分
■酒田市  自動車で2時間30分
■鶴岡市 自動車で2時間 山形横断自動車道利用
■上山温泉 自動車で40分
■米沢市  自動車で1時間30分
■蔵王温泉 自動車で60分
■仙台市  自動車で1時間30分 JR仙山線で50分


山寺周辺のおすすめショップ

お土産とお食事・喫茶の店 えんどう
手打ちそば・つきたての餅 美登屋
芭蕉ゆかりの地 ふもとや
山寺観光果樹園


山寺観光協会

〒999-3301山形県山形市山寺4495-15
TEL:023-695-2816
FAX:023-695-2810








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